生息地域 本州、四国 九州では絶滅。
 下北半島、紀伊半島、東中国山地、西中国山地、四国山地の個体群は、
 環境省が絶滅のおそれがある地域個体群に指定。特に四国は危機的。
 体長  1~1.5m  体重  80~120kg
 繁殖  冬ごもり中に1~2頭出産。母グマは春まで飲まず食わずで巣穴で授乳。
     その後、約2年間、母グマが子グマを育てます。
本来は、巨木の混じる奥山でひとりひっそりと暮らす動物です。ドングリやブナなど実のなる広葉樹の森、草原、湿地が本来のクマの生息地です。

 クマの棲む奥山を、私たちの祖先は手つかずで大切に守ってきました。この森からあふれ出す滋養豊かな水が、全ての生き物の命と日本の全産業を支えてきました。

 
 
   動物は、森を造っています。フンは植物の肥料になり、植物の種は鳥や動物が遠くに運びます。
 動物、植物、微生物がそろって森にります。生態系の頂点にいるクマのいる森は、多種多様な生き物たちが暮らす森でもあります。
 クマは肉や魚が主食と誤解している人が多いのですが、実際はほとんど植物食です。季節ごとに変化する自然の豊かな恵みが、クマの食糧になります。
 
 犬を特別かしこくしたらクマになると言われます。知能が高く、感情豊かで、人とも心を通わせることができます。母グマの子への愛情は深く、人間にも劣りません。
 森の王者クマは、堂々としたイメージがありますが、実はとても怖がりです。人がいるところや、身を隠すものがないところには、ふつうは出てきません。人がいるとわかれば自分からそっと離れます。しかし、突然、至近距離で人に出会うと、恐怖の余り、向かってくることがあります。
「クマが人を襲う」との報道は、クマがむやみに人を攻撃する凶暴な動物だという誤ったイメージを広めています。この誤解や偏見から、毎年、多くのクマが捕殺されています。
 クマは本来、争いを避ける平和的な動物なので、クマの性質を知り、人がいることをクマに知らせることにより、ほとんどの人身事故は防げます。
  クマは、奥山の動物でしたが、近年、人里での目撃が増えて、大きな問題になっています。
 
 戦後、奥山の自然林が次々と切られ、スギやヒノキの針葉樹の広大な人工林が造られました。
 その後、安い外材が輸入されるようになり、人工林は放置され、内部が荒廃しています。
 林内は光が入らず、下草も消え、動物たちの食べ物はありません。
 
 
 
 また近年、奥山では、わずかに残る自然林でミズナラなどの木が枯れたり、下草が消え、クマが棲めなくなりました。酸性雨、地球温暖化、シカの食害などが原因とされています。
 人里に出てくるので、クマが増えすぎたように見えます。しかし、実際は、生息地を失ったクマは危機的状況にあります。